<会の概要>

1987年、「人生の良き旅人づくり」を目的とした、実践教育活動「あぶらむの会」が、この飛彈の山里で小さな産声をあげました。誕生時は土地もなく、ましてや建物もなく、ただ一つの財産は、目的に対する確信と、「必要なものは必ず与えられる」という信仰だけでした。
 
全くの無からの出発のあぶらむの会に「旅人づくりに励め」という実に多くの支援と協力が寄せられ、ここに2ha(6千坪)の土地と、心安まる「旅人の宿」、そして、瞑想の家「諸魂庵」が与えられました。
 
物の豊かさの中にあって、荒れ放題で弱り切った人々の心です。経済的安定を求めるあまり、予測不能な出来事としての人生に果敢に立ち向かう力が衰え、臆病になってしまった日本です。また、ささやかな人生の負荷に深く挫折し、精神のバランスを崩す若者もたくさんいます。
 
このような人間の心の疲弊は南北問題を肥えさせ、私たちの旅の舞台である地球環境までも疲弊させてしまいました。このような状況の中で、「他者と共に生きる知恵」を身につけると共に、不確かな出来事としての人生の中で転ぶ事を恐れず、「転んだら起き上がる」力を養い、そして、「やがて自分で自分の魂を世話していく」そんな人生旅路を旅していく、旅人づくりが、私たちの役割と信じます。